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執筆者の写真Masahiko Yamamoto

令和4年5月15日KRS×Peacemaker「ツーリングリーダー研修」を開催





 RIDE189 TOURING RALLYを主催する一般社団法人ピースメーカーでは、私たちが主催するツーリングの安全性・快適性向上に向けて、主催するツーリングのガイド役となるスタッフの研修を行っています。

 これまでも、バイクレースの救護隊長を務めてこられた桑田幸二さんをお招きして、事故の遭遇した際の転倒者救護の方法を学びましたが、令和4年5月15日(日)にはさらに、未然に事故を防ぐ方法を学ぶための「ツーリングリーダー研修」を実施いたしました。

 講師にお迎えしたのはKRS(柏秀樹ライディングスクール)校長の柏秀樹氏。

柏先生はは40年以上のキャリアの中で、約4万人に「楽しみながら安全条件を整え、向上させる方法」を伝え、実際のツーリングの中で行う実践型のレッスンをレパートリーに持ち、講習後の事故率低減に実績を持つベテランモーターサイクルアドバイザーです。

 今回はスタッフが、マスツーリングで参加者を安全にリードできるよう、ご指導を仰ぎ、実践的な技術を学びました。


遠く宮城からの参加も


 当日は朝9時、養老渓谷観光センター喜楽里(以下「きらり」という)に集合。

    この日は宮城県でRIDE189 TOURING RALLYを運営する宮城支部のメンバーも、ツーリングを安全にリードする技術をマスターしたいと、はるばる遠征して受講しに来てくれました。



おおよそメンバーがそろったところで、早々に座学講習へ。

 この場で柏先生は、受講スタッフ一人一人に本日の教習課題を掲げてもらいながらコミュニケーションをとりつつ、本日のレッスンメニューを説明。

 同時に受講生の顔と名前、そしてここのキャラクターを掴んでいかれます。

 ことに、バイクの運転動作の中では、(集中力向上=危険回避能力の向上)が柱となることから、そのために必要な呼吸法や、バイクの自然な動きを妨げず、ライダーも疲れにくくなる姿勢の取り方など、フィジカルな面に目を向けることの重要性を強調され、これらを受講生が掲げたテーマに沿って理論的にかつ、楽しみながら理解できるようお話くださいました。



マスツーリングでは、女性ライダーやビギナーへの配慮を

 

 こうして和やかな雰囲気の中で、総論的な概念を学んだ後は、きらりの駐車スペースを使っての実演教習。


※スペースは事前に使用許諾をいただいて使用しています。


 今回、メンバーの中には、2人の女性ライダーが含まれていますが、先生はまずこの点に注目。


 『女性が初めてバイクデビューする際、取り回しに恐怖を感じてバイクへの興味を失ってしまうことが多い』ということから、ここでは駐輪場の形状に合わせ、参加者に恐怖心を抱かせない取り回し方法を実演してくださいました。

 「例えば、駐輪スペースに傾斜がついている場合は、特に転倒に繋がりやすい。

そいういった場所では、特にリスクの高そうな参加者に声をかけ、無理をせず傾斜の手前で一旦バイクを降りてもらうことも必要。

 『乗ったまま何とかしなくては…』と頑張ろうとする人も多いのだけれど、特に初心者の場合は転倒に繋がるので、そうした配慮と声かけは重要です。」

確かに、「うまく見せなくては」と無駄に頑張った結果転倒するライダーも少なくはないので、参加者に無理をさせない配慮、更には安全であることが一番カッコよいのだという雰囲気をつくることも大切だと感じました。 

 「また、駐輪場でバイクを出し入れする際は、バイクをハンドル(腕)だけではなく、むしろ腰でしっかりと支え、脚を地面に対して斜めにして支えると、肩に無駄な力を入れることなく、軽い力でバイクを安定させることができます。


 これを動かすときに、視点を近くに下げて、歩幅を大きく腰よりも前に大きく足を出してしまうと、バイクが不安定になるため、行きたい方向にバイクを進ませることに集中できなくなり、ついつい腕に力が入ってバイクの動きが阻害され、これに焦ってフロントブレーキを強く握って転倒というパターンに陥りやすい。そうなってしまうとバイクが怖くなってしまうのです。

 先生のおっしゃる通り、こうした足や腰の使い方をマスターすれば、小柄な人でも大きなバイクをしっかり取り回せるのだそうで、今後のツーリングでビギナーや小柄な女性ライダーが参加した時には、ツーリングリーダーとしてこうしたアドバイスで、参加者の不安を低減できるのではないかと思いました。


駐車場の形状に合わせた取り回し

 駐車場内に傾斜がある場合などは、エンジンを使って移動する必要があります。

そうした時にはアクセル操作ではなく、クラッチを握る強さの微妙な加減で操作するのですが、例えば「次男」・「三男」・「長男」と言った指標、つまり“ものさし“をもってそれぞれを使い分けることが大事です。

 ここでいう「次男」・「三男」・「長男」とはクラッチレバーを握る力の加減:強さの事ではなく、クラッチレバーの操作位置:レバーの先端「住所」特性です。

 レバーの先端があちこち行ったり来たりは駆動力の変化だからふらつきやエンストの理由になるのです。 

 エンジン回転がアイドリング状態のままクラッチ一長男(はじめくん)は時速1km/hしかでない位置。

 次男の次郎くんは3km/hしかでない位置 三男は5km/hしかでない位置。

 アクセル操作の前に、クラッチ位置をちゃんと確定できるとアクセル操作がより正確になるし楽チンになります。

 クラッチ操作があやふやだとアクセル操作やブレーキ操作が怪しくなるというわけ。

 取り回しの時など、エンジン回転を上げなくてもこのクラッチ操作で誰でも軽々とできるようになるのに、アクセルを煽りながらクラッチを適当に繋いだり切ったりしているから、いつまでも上手くならないのです。


 具体的にはこうして、腰でしっかりとバイクを支えながら行きたい方向に目線を送り、足を前に大きく出しすぎなければ、どんな体系の人でも安心してバイクを取り回せるようになります。」

 また、そもそも駐輪場内で無駄な取り回しをなくす、というのもリーダーにとっては必要な技術。

 駐輪する際にはバイクの頭を縁石に向かって入れていくのではなく、「ひと筆書き駐車」が一番安全快適スムーズ。

一般的な止め方をすると、出発時にバイクを前後左右に動かしてモタモタすることが多い。

 なので常に休憩後にサクサク出られるように、出来るだけ「ひと筆書き駐車」をする習慣化がベスト。

 マスツーリングではリーダーが参加者にこれを促すと、出発にまごつかなくて済みます。


バイクの後ろ側を縁石に向けて止めると良いのです。

 こうすることで、隊列の発信がスムースになり、安全で見た目にもきれいに隊列を整えることができます。

 さらに、駐輪場から出発する際は、1台ずつ出ていくと、台数によっては時間もかかって周囲の交通の迷惑になる場合もあります。

この対策として、駐輪場の出口ではバイクを斜め45°に向けておいて、2台ないし4台ずつが同時多発的に出発すると、スムースに出発することができて、その後も隊列を整えやすくなります。

 これは交差点に差し掛かった時にも有効で、周囲の交通からの視認性を高める狙いにも叶う方法になり、さらに、信号待ちなどで隊列が途切れた場合なども、待機中のバイクを「斜め45度出口向き」で待機させておけば、非常に滑らかに隊列が整っていくのです。」


 ここまではまだ、走行前のブリーフィング的な部分。

ですが、これだけでも、バイクの操作と共に操列の基本動作を一つ一つ再確認することができ、安全なツーリングは基礎固めの上に成り立っているということに気づかされた参加スタッフたちでした。


 出発を前の座学講座が、柏先生は道の幅を、左端のL1・そこからL2・センターそして右のR2・R1と5つに分けて考え、左右どちらからの外乱があった場合にも素早く対応できるよう、センターをキープして走る「センターキープメソッド」の重要性について説明。

 これを基調としつつも、状況によっては2列走行(千鳥走行)をする必要もあることから、実際のツーリング開始時にブリーフィングを行うなどを行って、予め参加者間で共通のハンドサインを決めておき、先頭のリーダーからサインで隊列にフォーメーションの指示が出せるようにしておくことなど、基本的な点についてアドバイスをいただきました。


これらを踏まえた上で、いよいよきらりを出発。

千葉の新名所、「清澄ループ橋」を越えて、一行は最初の目的地である鴨川市の中華料理店「東洋」さんへ。

ループの走行写真でもわかる通り、早速センターキープメソッドの実践です。

ここは道幅や交通量が様々に変わる変化に富んだルート。


 その間にも柏先生はメンバーの走りをチェックしながら、無線で一人一人に適宜アドバイスをしてくださいました。

 そうして最初の目的地である東洋さんに到着。

 駐車場に入ると、参加スタッフたちは早速、出発前にご指導いただいた「ひと筆書き駐車」でバイクを停めまようとしたのですが、全員が横位列で駐輪しようとすると、駐車スペースを無駄に多くとってしまうため、参加スタッフたちはもっとコンパクトな止め方をどうしようかとまごついてしまいました。

 すかさず柏先生が、「クルマのスペースに複数台のバイクを前向きで入れる時は、先に出るバイクが少し前に出ておいて、その後ろに縦列させて位置を決めた後にそれぞれのバイクを後ろに引けば、きれいに駐輪できます」とアドバイス。


 素直にご指導に従うときれいにバイクが収まって参加スタッフたちから思わず「おー、なるほどぉ」と声が上がりました。


 実は東洋さんに到着したのが開店30分前の11:00頃。

このタイムラグは筆者のミスによるものですが、柏先生はこの間を利用して、さらにアドバイスをしてくださいました。


疲れにくいライディングフォームをつくる



 ここではツーリングの快適性を上げ、「長時間に渡って快適で集中力を維持させるライディングフォーム」について説明。

 「まず、バイクのシートに対して骨盤(仙骨)しっかりとたてて、頸椎のSカーブを保つことが肝心です。

 これによって、背骨は頭の重荷をSのカーブで分散して受け止めることができるようになるので、腰や首を傷めにくく、疲れにくいライディングフォームの基礎がこれで整います。

また、「バイクに長く乗っていると肩が痛くなる」という人もあるのですが、これはハンドルの握り方に一工夫を加えることで回避できます。

 また、一般的に、ハンドルに対して腕を直角に持っているのだと思いますが、

実はこの握り方ですと、ブレーキやクラッチのレバーに自然な形でかけられる指は人差し指と中指くらい。

 確かに人差し指と中指には力はあるのですが、繊細な感覚を感じ取る能力は、むしろ薬指と中指の方が長けているのです。



 そこで、もっと効果的なハンドルの握り方があります。

手首の小指の骨の付け根あたりに「豆状骨」という骨があるのですが、

 ハンドルに対して手首を約45°斜めに持つと、豆状骨を軸とした「斜め握り」になります。

 この握り方により、薬指と小指を含めた4本の指で、クラッチ・ブレーキのレバーを繊細にかつ軽く引くことができるので、これだけでも長距離走行が疲れにくく楽になります。


 また、腰の仙骨を立ててこの握り方をすることによって、自然と腕はラウンドした姿勢となり、外からのショックを受け止めやすく、バイクの自然な動きを阻害しにくい姿勢が整います。

 さらに、顎を引かずにいれば、頭の位置も最適化されるため、視界を広く保つことができます。

 これで、疲れにくく危険回避もしやすい体制となるので、これは是非皆さんに取り入れていただきたい項目です。

 加えて、この姿勢であれば足もつきやすくなり、低速時に出したい足と逆の方向にハンドルを切れば、素早く足を着くことができるので、安心感も増すので、これは意識して練習してみてください。


 こんな風に、基本動作の一つ一つを丁寧に見直しながら学びを進めていくのが柏先生の真骨頂。

 どれもが「ちょっとしたコツ」なのですが、私たちは今後も中長様々なツーリングを企画していくので、この乗り方は取り入れていきたいと思いました。


参加スタッフの学習意欲、随所に光る

 実は、ここまでは今回の研修ルートは机上で打ち合わせを行い、筆者が下見を行ったルート。

食事を終えてからのスケジュールをまとめあげ、各テーブルに伝達するスタッフ

 しかし、当初のルートを踏襲すると、スケジュールがタイトになる恐れもあったため、出発前に道に慣れたスタッフに、短絡ルートの案内を急遽お願いしていたのでした。

 そして昼食時にはスタッフたちの間で、「何とか先生のお話を多く聞いて研修効果を上げたい」、「今日は遠方からの参加者もいて彼らを無事に帰宅させることも考える必要がある」、「隊列が無事に目的地に移動できることこそが目的となる」という話になり、操列経験のあるスタッフたちが、食事をしながらルートをまとめ、さらに先頭役、仲持役、後端を走る人をある程度役割決めをしてくれたのでした。


 その結果、『この後の走行は、普段のツーリングでは参加者をリードして操列した経験がない女性スタッフ2人の経験値を上げよう』と言うことになり、みんなで彼女たちの先導をフォローしながら走ることになりました。


 急遽打ち合わせた通り、東洋さんからは、先導未経験の女性スタッフを先頭役に据えて、次の目的地に向かいます。


広い駐車スぺースにたどり着いた一行。


 ここではさらに、より有効なブレーキの使い方や、余裕を持ったUターンの方法、そしてこれを基礎にした取り回しの方法などを学びました。


バイクの操作を分解して組み立てる

 「バイクは低速時にバランスを失う構造が故に、スピードを出すよりも低速時の操作の方がはるかに難しいものです。

 ですので、低速時に無理をせず着実な操作ができれば、安心感も高まって、ひいてはツーリング全体の快適性を向上させることもできます。


 ここではまず、先ほどまでお伝えした、姿勢の保ち方を踏襲しながら、Uターンの方法をお伝えしていきましょう。


 Uターンはバイクの操作のすべてが詰まった、難度の高い技術です。

しかしだからと言って、やみくもに力を入れてがんばってしまうのでは、転倒リスクを高めることになってしまいます。

 先ほどから私は、一つ一つの動作を分解して、それらの中でも効率と安心感の高い方法をお示ししています。

 Uターンも一つ一つの動きを丁寧に行えば、ビギナーでも安心して行うことができるのです。

 Uターンの動作を分解すると、

① ブレーキでしっかりと減速する。

② 視線を定めて向きを変える

③ 滑らかに加速する

大きく分けて、この3点に分けられます。


 ですのでここでは最初に、ブレーキの使い方を見てもらいましょう。


 普段皆さんはブレーキを使っていますが、ブレーキの強さが例えば1~5まであったとしても、場面に合った形でその強さを使いきれている人というのは実はそう多くないと思います。

 また、多くのバイクの場合、ブレーキは前後2系統の操作に分かれていますが、これまでの講習を見てきた中で、これを適切な形で使えている人も、やはり多いとは言えません。


今から、フル加速から

  • l リアブレーキだけで制動した場合

  • l フロントブレーキだけで制動した場合

  • l 前後ブレーキで制動した場合

を実際にやりますので見てください。

 まず、リアブレーキだけの場合、ABSがかかる限界値まで踏み込みましたが、やはり止まりきれませんでした。

 同様にフロントだけの場合は、制動こそしますが、ピッチングで後輪をもちあげようとする作用が働くため車体が不安定になり、思いきりかけてしまうと前転してしまう恐れがあります。

 ここまでご覧いただいて、ブレーキは制動輪のタイヤを地面に押し付けて摩擦を高めるという仕事をしているのがお分かりいただけたと思います。

 つまり、前後のブレーキの効き具合をしっかりとした指標を持ったうえで、前後ブレーキを制御できれば、車体をグッと路面に押し付けた、有効で安心感の高い制動が得られるのです。


 ですのでもし、こうした広い場所で練習できるのであれば、「加速」→「減速」→「加速」→「減速」という動作を、足を着かずに連続動作として行う練習をすると、正確な加減速の感覚が身につきますので、これは是非やってみてください。」


低速操作の安心を高める「JFターン」

 こうしてブレーキの加減にものさしを持つことができたら、今後はしっかりと停止時に足を着く動作を加えます。

 これも速度がゼロになる前に適当に足を前に出しておくのではなく、先ほどの要領でスーッと滑らかに停止。

 身体でバランスを保ちながら、速度がゼロになったところで足を着く。

つまり、ガツンとただ止まるのではなく、制動+バランス+足つきという一つ一つの動作を丁寧に行うということです。

 これができたところで、今度は向き変えの動作を加えます。

向き変えは、先ほど出発前にお伝えしたように、クラッチの加減を整えながら行います。

車体を傾けて小さく回ろうとする必要はありません。

 むしろ車体は垂直に保つ方が、リスクは低く安心です。

向きを変える方向に視線を定めたら、ハンドルを豆状骨で支える斜め45度握りで上腕をリラックスさせ、クラッチは微速が保てる位置に固定。

 舵角を徐々に深めていけば、安定を保ったまま、すっと向きを変えることができます。


 ここまでの動作を統合して、Uターンの動作に入ります。

 滑らかに加速して、スムースに減速。

視線を定めて向きを変え、センターライン上で一旦停止して

同時に足を着きます。

 そこから再度、クラッチを使ってゆっくりと加速。

 180°向きが変わったところで、足を着いて再度停止。

 後方確認をして再スタート。

 センターラインまでの原則旋回停止で90度ターンでJ型だからJFターンのJとなり、センターライン上でハンドルをいっぱいに切った(フルステアのFの状態)まま:時速1kmを維持して残りの90度をゆっくり回ると車体は傾斜せずに両足、あるいは片足で向きが変えられるし、クラッチの練習になります。

 一気にUターンにトライするリスクを減らし、センターライン上でまずは落ち着いて停止するという行為が大事。

 欲張るから転ぶだけ。

 なのでセンターラインを最初の目標にするわけ。

 上級者はセンターラインに直角に交わったままの状態で「完全停止後に右足だけ、左足だけ、両足同時着地」というスキルを確認。

 さらに上級になればセンターライン上に完全停止時に一切足をつかずに、ハンドルをいっぱいに切ったフルステア状態のまま発進。

 これは直線でのノータッチ・リスタートのフルステア版です。

 普通にぐるりとUターンができるから、という次元ではなく、初心者がトライしやすいこと。

 そしてその目標となる「センターラインをうまく使う」なんとなく、どの程度できているのかあやふやな目標よりも、目に見える目標とすることが大事。

 またー、ターン中はクラッチをハンクラにするのではなく、完全にクラッチレバーを握ります。 

 絶対にこれならエンストしないからです。

 そして両足を出したままでやるのは、フロントブレーキの優しい入力を覚えるため。

 ちゃんとできないとか転びそうになるのは直線での両足出しのままクラッチきりの状態での完全停止後に足を着く、という当たり前にできているつもりの操作が実はかなり怪しい証拠なんです。

 また、「両足が出ていたらダメ」という考え方が古い、狭い。

 加えて、「リアブレーキしか使えない」、では、どこを走っても危険性が高い。

 いつでも瞬時に正確な入力開始ができなければ、交差点やワインディングカーブで事故りやすいのです。

 JFターンの練習は、現実のUターンの練習手順の重要な手がかりになるだけではなく、その繊細な早めのフロントブレーキ入力こそが交差点での右直事故防止に役立ち、ワインディングでのカーナリング中の安全安心なブレーキ操作に役立つのです。

 このように、一つ一つ動作を分解して考え、それらを統合することで、難しい動きも安心して行えるということをお伝えしているわけです。

「JFターン」是非練習してみてください。」


 JFターンについて一通り教わったところで、参加スタッフの一人がマシンの取り回しについて質問。


車体をしっかり身体で支え、クラッチの加減調整で、重たいマシンでもきれいに操ることができるとアドバイスを受けていました。


 白バイ隊のように、くるっと鮮やかなターンは確かに華麗なものですが、ツーリングという目的、そして参加者のスキルを考えるなら、柏先生のおっしゃる通り、ゆっくりでも安全確実であることが優先されるべきです。

 JFターンはUターンだけでなく、駐車スペースに参加者のバイクを止める際や、その他いろいろな場面に応用できる技術。

一つ一つの動作の確認とそれらの統合。

 私たちはもちろん。

参加者にもうまく伝えながら、安全なツーリングをリードしていきたいと思います。


 そうしてこの場でのレッスンを終え、一行は最終目的地、法人本部でもあるCafé Club Bigoneへ。

 この時はもう一人の女性スタッフに先頭役を交代し、皆でサポートしながら無事に到着。


到着後は、全員で、本日のレッスンメニューを机上でおさらいです。

 実地でお示しいただいた内容を、改めて詳しく図解で解説してくださったので、さらに理解が深まりました。


その後は柏先生から修了証証書の授与。


こうして柏先生は、参加スタッフ一人一人にお声をかけながら、各々の受講テーマに照らしてどうであったかなどを訪ねていき、

受講したスタッフの納得が深いことが分かれば、先生もこの笑顔です。.


 準備~実施の面で、企画した筆者の反省点も多かった今回のレッスン。

「それもまた収穫」と助け船を出してくれるスタッフもいて、企画者として皆さんに大変助けられた今回のツーリングリーダー研修となりました。

 何より、臨機応変にレッスンをしていただいた柏秀樹先生に感謝。

 これまでの反省を踏まえつつ、柏先生に教えていただいたことを活かして、Peacemakerは今後も安全な企画の運営に努めてまいります。



Special Thanks

柏秀樹先生

KRS

中華料理 東洋の皆さん

Café Club Bigoneの皆さん

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